こんにちは! フィリピン在住、キャリアコーチのSakiと申します。今回のブログでは「社会不適合者」についてお伝えしたいと思います。
まず、なぜ今回のテーマを選んだのか。理由は、わたし自身が過去に「社会不適合者な自分」に悩み、つらい経験をしたからです。
わたしは現在、フィリピンに住み、旦那さんと娘たちと一緒に、のんびりと生活しています。フリーでキャリアコーチをするかたわら、現地企業で人事のお仕事もしています。いま、自分が社会不適合者だと考えることは一切ありません。
そもそも、社会不適合者とは?

インターネットで、「社会不適合者」というワードを調べてみると、「社会で上手くやっていくことが難しい人」のことを指すようです。上手くやっていくことができないとは、周りと協調できない、期待に応えられない、責任感がない、自己中心的な考えなどが挙げられるとのこと。
一見、「努力してないからだろ」と言ってしまうような内容が書かれていましたが、実際は、必死に社会に適用したいと思っているのに、できない人の方が多い。わたしも、10年前はその一人でした。
わたしたちは日々、「社会に適合する」というプレッシャーを抱えて暮らしています。個性より社会の常識から外れない人間になることが要求される日本社会では、わたしたちは皆、多かれ少なかれ、どこかが社会不適合者。
ありのままの自分で振舞うほど、それが社会に受け入れられないと否定され、自分に自信を無くし、社会不適合者というラベルを、自分自身で貼ってしまうんです。
わたしが「社会不適合者」だったわけ

わたしが「社会不適合者」だと自分を決めつけていた原因はいくつかあります。
まず、大学卒業後に就職した会社を3か月で辞めてしまったときが最初のきっかけでした。新卒で入社したのは社員20人程度の、飲食店を経営する小さなベンチャー企業でした。規模の小さい会社だったので、いろんなことに挑戦できそうだと思って入社しましたが、早朝から夜中まで店舗で働く過酷な労働環境に耐えきれず、3か月で退職しました。
退職するときは、社長と上司に退職届を提出するのが怖くて、実家に逃げるように帰り、郵送で退職届を出しました。
このとき、自分の姿を鏡で見たときのことを今でもはっきり覚えています。店舗は常に油まみれの環境だったので、肌は出血してボロボロ、顔色が悪く、3カ月間碌な食事をしていなかったのに体がむくんで10キロ近く激太り。わくわくして入社した会社だったのに・・・もっと頑張るべきだったのか、退職して本当によかったのか、これからどう生きていこうか、わからず涙が止まりませんでした。
病院でうつと診断される

わたしは、子供のころから小さなことを気にしすぎる性格。そのせいか、仕事で不安なことがあると夜眠れないこともたまにありました。
東京で人事コンサルティング会社に就職し、1年ほどたったころ。熟睡することができなくなり、毎晩、夜中の2時、3時ごろに起きるようになりました。どんなに頑張っても寝られず暴食に走りました。夜中にお腹いっぱいになった後は寝られるのですが、今度は寝すごして、急いで電車に乗り込みます。
夜中に暴食するので、勤務中はいつも気分が悪く、お腹はまったくすきませんでした。夜中に食べたものを帳消しにしたくて、ランチはコーヒーとスナックだけ。こんな生活を続けていたので、体重が徐々に増え、生活習慣を改善しようとしても、気力だけではどうにもなりませんでした。自己嫌悪に陥り、突如悲しくなり、泣き出すことが頻繁にありました。
だらしないと思われたくなくて、だれにも相談できず、最終的に頼ったのが心療内科です。医師に症状を伝えると「軽度ではあるけどうつだね」と言われました。病院から漢方を処方してもらい服用していましたが、大きな改善は見られませんでした。
社会不適合者を脱却するために環境を変えてみる

Wikipediaには、「社会」とは「ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり。また、仲間意識をもって、みずからを他と区別する人々の集まり。」とあります。世界にはさまざまな「社会」が存在していて、その社会の価値観、あり方はさまざまです。
社会不適合だと感じる理由は、単にその社会が、自分に合っていないだけなのかもしれません。価値観、目指す姿、そして社会から求められる姿… その社会は、わたしの「会社」、住んでいる「国」、仲良くしている「友人」、または一番近い存在である「家族」かもしれません。まずは、いま所属する社会の在り方と、自分の価値観にどの程度ギャップがあるかを考えてみることが大切です。
わたしが社会不適合者だと感じていた理由は会社でした。当時、わたしの上司であった50代の男性マネージャーから、見た目、話し方、振舞い方など、なにかにつけて叱られていました。いま考えると、これは個性であって、叱られる理由なんてありませんでした。素直な性格だったわたしは、絶対的存在である上司から言われたことは、真に受けて本気で悩みました。
さらに、当時働いていた会社の労働環境はとても忙しく、毎日、夜遅くまで残業をしていました。担当する業務は、ほぼ新卒だったわたしには難しすぎたため、毎朝5時起き、出社前にファミレスで1時間ほど勉強をしてから出社する毎日を送っていました。たまにプライベートで友人と出かけても、仕事のことが不安で楽しめたことはありません。
これらが、わたしがうつになった原因です。
こんな自分から抜け出すために、わたしがとった行動は「環境を変える」という行動です。
シェアハウスに引っ越した
当時、わたしは一人暮らしをしていましたが、持っていた家具・家電など処分し、都内のシェアハウスに引っ越しました。思い立った理由は、「だれかと一緒に住めば、夜中の暴食をやめられるかもしれない」と思ったからです。引っ越してみて大正解でした。暴食をしなくなっただけでなく、夜中2時、3時に起きることもなくなりました。
さらに嬉しい効果もありました。シェアハウスでは5名ほどで暮らしていましたが、ほとんどが外国人。わたしが休日に仕事をしていると、「なんで休日に働いてるの?ありえない!」と言われ、むりやり飲みに連れ出されたんです。仕事ができないなら休日でも働くべきだという間違った考えが壊された瞬間でした。
フィリピン移住した
ふたつ目にとった行動は、フィリピン移住です。シェアハウスに移り住んで1年ほどたち、だいぶ状況は改善したものの、「明日が怖い」という気持ちを常に抱えて生きていました。そんなとき、当時付き合っていたフィリピン在住の彼から、「そんなにつらい思いして働くなら、フィリピンに来なよ」と言ってくれたんです。そこで思い切って、会社に退職届を出しました。
いま現在、フィリピンで働いていて、社会不適合者だと思ったことはありませんし、以前のように悩んだ経験は一度もありません。フィリピンでは、英語が公用語でさまざまな国籍の人々が暮らしているせいか、同じ社会にいても、人と人との「違い」を尊重し受け入れる素敵な文化があります。仕事は以前と変わらないくらい忙しいときもありますが、むしろ理解のある上司や同僚と相談しながら仕事をしているため、辛いと感じることはありません。
だれでも輝ける!自分を認めてあげることの大切さ

ありのままの自分でいたいけど、それだと社会で上手くやっていけない。社会に適応できない。こんなジレンマを抱えて生きている人は多いのではないでしょうか。
社会に適応する人間になるために努力して個性を押し殺すことはおススメしません。もちろん、相手を不可にさせないために、最低限のビジネスマナーや常識は必要だと思います。しかし、これと「個性を大切にする」とは話が違います。
人はそれぞれ、個性があり、価値観を持ち、強み弱みがあります。だから輝けるフィールドは人それぞれ違います。
まずは、自分の素敵なところに気づいてあげてください。そして、自分を認めて抱きしめてあげてください。自己肯定感を高めることが、まず最初の一歩。これは簡単ではありませんが、ノートに書き出してみたり、日記をつけて自分の感情に気づいてあげることで、徐々に自己肯定感を高めていくことができます。
自分を認めてあげられるようになったら、どこで自分がもっと輝けるかを考えてみてください。今の環境にとどまるのもよいですし、思い切って環境を変えてみるのもよいと思います。あなたの輝ける場所は必ずあります。いま苦しいのは、そこから離れた方がいいというサインかもしれません。
もしあなたが今、「自分は社会不適合者だ」と思って苦しんでいるのなら、まずは「自分を認めてあげる」こと。自己肯定感を高めるって、簡単なように聞こえるけれど、簡単にはできないこと。
どうしようもできない時は、キャリアコーチや専門のカウンセリングの力を借りることも考えてみてください。ひとりで何でも解決しようとせず、人の力を借りることの許可を自分に出してあげてください。
それでも自分を認められないのなら、思い切って環境を変えてみてください。人は、環境を変えると一気に輝けることがあります。住む環境、周りにいる人、そしてその人たちの価値観。社会不適合者だと感じる理由は、あなたの環境のせいかもしれません。
今回のブログが、これからのキャリアのお役に立てたら嬉しいです。